「サイト売買をやってみようかな?」
そう思ったときにぜひチェックしておいてほしいポイントが4点あります。
今回は弁護士の方に聞いた、『サイト売買を始める前に必ずチェックしてほしい4点』をご紹介いたします。
これを確認しておけば、サイト売買で大きな失敗をすることはありません。
1.必ず契約書を交わす
これは詐欺ではないのか? 可能ならサイトを返すので、お金を返してほしい」
そんなトラブルが弁護士事務所には毎日何件も報告されているそうです。
この場合、購入したサイトに「隠れた痂疲」、つまり「本来あるべきものが備わっていない」として、
契約解除や損害賠償を請求できる可能性があります。
(瑕疵担保責任(民法566条、570条))
とはいえ「購入前に聞いていた数字」というのはあくまでも目安としての数字であり、日々変動するものなので
この「隠れた瑕疵」には該当しないことが多いです。
また「紹介先から商材を仕入れられない」という件にも該当しないこともあります。
この問題点をハッキリと言ってしまうと『「購入前に伝えられた売却条件が、自分が譲り受けたあとも変わらないだろう」と安易に思い込んで契約書を交わさなかったこと』です。
ではどうすればこのトラブルを避けることができたのでしょうか?
それこそが契約書を交わすことだったのです。
たとえば「売主はこの契約が成立後、○年間は紹介する商材の仕入れ先からの仕入れが可能であることを保証する」というようなことです。
抽象的な文面だと後々それはそれでトラブルになることもあるので、できる限り具体的に書きましょう。
2.「競業禁止条項」を入れないと……
儲かって売れるサイトを作れる売主ですから、同じようなサイトを再び作るのは造作ではありません。
悪質な例だと、あるサイトを売る前に「どうせすぐ売れるから」とあらかじめ別に作っておく……ということもあります。
そうなるとサイトを手に入れて「さあ設けるぞ!」と意気込む間もなくライバルと競り合うことになってしまいます。
それを避けるために「競業避止義務」を契約書で交わす必要があるのです。
たとえば「売主は直接もしくは間接的に、契約が成立した直後から○年間は本件事業に関わらない」というような内容です。
これさえ明確にしておけば、万が一のときに売主が別で運営していたサイトの差し止めや損害賠償請求が可能になります。
会社法で定められている「事業譲渡」に該当しない、契約書でも「競業避止業務」を定めていないとなると、
泣き寝入りすることになってしまいます。
3.楽天などで出店している店舗は売買が不可能である
売買を話し合う前に、出店規定をきちんと確認しましょう。
楽天の出店規定にも明確に書かれていますが、こういったモールの店舗は他人に譲渡や貸し借り、担保差入などができません。
楽天の店舗は実際にある店舗ではなく、「楽天との契約」によって存在しています。
ということは楽天が売買を禁止しているため、「楽天の店舗の売買」は不可能です。
もし「楽天の店舗を買わない?」と声をかけられたらまず疑いましょう。
しかし「法人ごと譲渡」したり「譲渡を受け名義を変更」したり「名義貸し」という方法もあります。
……が、いずれも楽天側から出店規約に違反すると見なされれば、楽天から契約解除されてしまうので気をつけましょう。
4.個人情報の売買には気をつける
サイトの種類によっては会員データを伴うこともありますよね。
個人情報の保護に厳しい今の時代、会員データの売買は可能でしょうか?
これは条件が整えばOK。
その条件とは「全会員からの同意がある場合」に限ります。
(個人情報保護法23条1項)
ただし合併などによる個人情報の提供には同意が必要ありません。
(個人情報保護法23条4項2号)
つまりサイトを含め、売主の事業ごと譲渡されるのであれば、個人情報を提供してもらうことも可能です。
しかし譲渡後、もともとの売主が定めた利用目的以上のことに個人情報を利用してはいけませんのでお気をつけください。
まとめ
いかがでしたか?
・契約書に「競業禁止条項」を入れる
・楽天などで出店している店舗の売買はできない
・個人情報の売買に気をつける
この4点さえ注意しておけば、大きなトラブルに巻き込まれることはまずありません。
甘い誘いがあったときには、惑わされず今一度このポイントに注意しましょう。